南会津から芦ノ牧温泉に行く途中、駒止峠バイパスの福米沢にマリア観音で有名な常楽院があります。滝沢洋之著『会津の野仏』によれば、この福米沢という地名からして、”福”は「福音書」からとられており、”米”はコメクルスを意味する、――とのこと。さらに『会津の野仏』によれば、このほかにも会津若松市の宝積寺のキリシタン地蔵や、大原の地蔵尊、飯坂の六地蔵、関脇のマリア像、柳津久保田のマリア観音など、会津には隠れキリシタンの石仏がまだあるそうです。
会津美里の中田観音を探してあのあたりを車でぐるぐる回っているときだったか、小径に小さく「マリア観音」と書かれた看板が立っていたのを見つけましたことがあります。しかし結局そのときは件のマリア観音を見つけることはできず、帰ってからこれはいったいなんなのかと色々検索してみたものの、ハッキリとしたものを見つけることができません。またいつか機会があったら現地を歩いて探索してみたいものです。
さて常楽院のマリア観音は、子安観世音堂に安置されています。駐車場を入って左手に、写真の通り三つほどお堂があるのですが、一番外側に見えるのが子安観世音堂。ただ、マリア観音は格子を通して覗くだけで、触れてみることなどはできません。頭に被っている頭巾のようなものに十字架が彫られているのが判ります。