七月に発売されてからネットでの反響や作例を眺めつつ一月ほど様子見をしていたものの、結局買ってしまいました。SIGMAのレンズを使うためにMC-11とα6300を購入し、それで満足していた筈なのですが、やはり誘惑には勝てなかったという……(爆)。
EVFが駄目、フリーズする、猛暑日には頻繁に落ちる、センサーダストが云々などとマイナス面が多く伝えられているsd quattroですが、ほんの少し使った限りではそれほど悪い、という感じはしません。実は購入する前に、ヨドバシカメラで実機を触ってみる機会があったのですが、そんな自分の姿を傍らで眺めていたベテランの方に話しかけられました。ベテラン氏が自分に話しかけた最初の一声が――「これ、全然使えないでしょ!」(苦笑)。彼はSD1 Merrillを下取りに出して本機を手に入れたそうなのですが、非常に不満であると。曰く、
- いきなりフリーズしたので、すぐに店で新品交換してもらった。
- EVFが見づらくて使えない。MFでのピント合わせができない。拡大すればするほどどこにピントが合っているのか判らなくなる。
- ピーキングが使えない。フォーカスリングを廻しても、液晶モニタに表示される被写体のすべての面にピーキングがかかってしまっている。
などなど……(ちなみにこのベテラン氏、メインカメラはハッセルで、このあとSONY α7IIを購入されたとのこと。ただ「SONYの色は好きになれないなあ」とも言ってました)。
確かフリーズに関しては、新ファームで対応されている筈ですし、EVFは癖こそあれど、RICOH GXR A12 MOUNTにCONTAXのレンズをマウントし、外付けEVFでMFを愉しんでいた自分としては、GXRとそれほどの差は感じられません。そんな旧世代のカメラと比較してどうするんだ、という野次が飛んできそうですが(爆)、長らくEVFでもMFレンズを使ってきた自分にはそれほど使いにくいという感じはしなかったということで、……もちろん、α6300と較べればその見栄えは雲泥の差ですが、「使えるか」「使えないか」と言われれば、「とりあえず使えるヨ」ということになるでしょうか(ちなみにα6300で自分はピーキングを使ってのMFをようやく卒業することができました。とにかくα6300のEVFはNEX-7、α7s、DSC-RX1と比較しても別次元のように素晴らしいです)。
ただこのベテラン氏の指摘された通り、ピーキングはちょっと使えないかな、……という気はします。ちょっと困るのが、液晶モニタとEVFではピーキングの見え方が異なることで、液晶モニタだとなんとなくちゃんとピントが当たっている部分を見せているのですが、そのままEVFで覗き込むと、全面にピントが当たっているように見えてしまうという……。なので自分の場合、ピーキングはOFFにしてあります。
ピーキングを使わずにMFでピントを合わせるにはちょっとしたコツがあって、EVFでも液晶モニタでもそうなのですが、ピントが当たっている部分は、陽炎が揺らいでいるように像が「ゆらゆら」とします。この「ゆらゆら」を意識しながらピントを合わせていくとうまくいくような気がするのですが、こんな使い方をしているのは自分だけかも(爆)。もっともこの「ゆらゆら」はdq quattroの液晶でも「使えた」ので、SIGMAの製品に共通する癖なのかもしれません。
なお自分のSIGMAカメラ歴ですが、DP2 Merrillを購入したあと、さらにDP3、DP1 Merrillの三兄弟を揃え、その後dqが発売されてからMerrilはすべて売り払ってdp2、dp3 quattroに変えました。しかしながら、眼の調子が悪化し、液晶モニタを覗きながらでは写真が撮れなくなったため、EVFを持つSONYのαシリーズに完全移行した次第です。しかしながら、Foveonの画に未練があったのもまた事実で、今回EVFを搭載したsd quattroが発売されたのをきっかけに再びFoveon機を購入。――というわけで、大先輩方に較べればFoveon使いという点ではひよっこもひよっこゆえ、トンチンカンな感想を述べてしまうやもしれませんが、とりあえず、α6300+MC-11との比較も交えて、今後はsd quattroの使い勝手などについても書いていきたいと思います。