青梅にある塩船観音寺は関東八十八ヶ所霊場第七十二番札所でもあり、春には色とりどりのツツジが境内を彩る花寺として知られています。さて、そんなお寺にツツジとはまったく無縁な一月に行くとどんな感じなのか。論より証拠。まずは写真をご覧いただきましょう。
塩船観音寺で検索すると出てくるような鮮やかさ艶やかさとはまったく無縁の味気ない光景ではありますが、見ようによってはコキアっぽい感じがしませんか(^^;)。季節外れの冬だからといってただ枝葉が伸びるにまかせるのではなく、しっかりとボウル型に整えているところが好印象。
まず仁王門をくぐったすぐのところに阿弥陀堂があり、そこから緩い坂を上りながら薬師堂、そして本堂たる観音堂へ参拝をする順路となっています。
薬師堂にもきちんと赤い幟がたててあり、大杉に囲まれた観音堂へと続く境内はとてもいい感じに落ち着いていました。
自分がお参りしたのは一月の十四日で、まだ熊手や守護矢が売られていたりと正月気分を残しており、観音堂にも初詣のひとがちらほら。観音堂の拝観料は100円で、それをお守りなどを売っている売店で精算を済ませたあと、靴を脱いでご本尊の十一面千手観世音が奉安されている薄暗い堂内へと上がります。
十一面千手観世音は柵の向こうに安置されているため、間近に見ることは叶いませんでしたが、眼の前にはお坊さんが勤行を行うための座布団が敷かれてい、小卓には勤行式(というのでしょうか、お経が折りたたまれたハードカバーの冊子)が置かれています。どんなお経を唱えているんだろう、という興味はありましたが、信者でもない俗人が覗くのもバチが当たると思いそこは遠慮して(^^;)、いつも通りに開経偈から般若心経、観音経と一連の納経へと取りかかります。やはりお堂の外ではなく、堂内でかしこまっての納経は格別でした。
山の上には平和観音が佇み、ここからは青梅市街を一望することができます。ツツジの季節に訪れればさぞかし綺麗だろうと推察される眺望に思いを馳せ、参拝をすませたあと青梅の駅へと向かいました。
ランチはカレーが食べたいという妻の意見を尊重して、青梅駅から少し歩いたところにある『夏への扉』へ。
『夏への扉』といえばハインラインですが、店名はここからとられたのでしょう。店には二冊の早川文庫がしっかりと置かれてありました。本当はこのあと青梅の駅周辺をのんびりカメラ片手にぶらついてみたかったのですが、とてもとても寒かったこともあり、今回は断念。また近いうちに再訪してみたいと思います。