第1番の雨降山・大山寺をお参りしたので、そうなるとやはり次は第2番をということで、節分の昨日、神奈川県は南足柄にある大雄山最乗寺へ行ってきました。東名高速の大井松田インターを下りて、伊豆箱根鉄道大雄山線の大雄山駅まで町中を行くことしばし、やがて朱色の山門っぽいが見えてきたのでもうすぐだろうと思っていたら、お寺はそこからさらに細い山道を進んだ奥の奥にありました。
実は出発する前に「今日は節分でイベントもあるみたいだけれども、もの凄い人出じゃないだろうか……」と危惧していたのですが、予感は的中。お寺に到着したのは節分豆まきの手続きが始まった九時過ぎだったので、駐車場には余裕で停めることができたものの、本堂ではすでに豆まきの準備が慌ただしく行われてい、スピーカーからは大音量でブラスバンドっほい管弦楽の音が流れています。
本堂の隣にあるのが開山堂で、「開祖了庵慧明禅師尊像等、歴代住持霊牌を祀」っているお堂とのこと。隣の本堂の慌ただしさに較べると誰もおらず、ひっそりと……と言いたいところなのですが、右方向からガンガン流れてくる管弦楽の音が気になってお参りどころではありません(^^;)。
多宝如来が奉安されている多宝塔は方形層上円形木造二重の構造で、いかにも禅寺らしい佇まいでした。
目的の不動堂は多宝塔からさらに奥へと入ったところにあります。自分は結界門を渡り、石段を上って御真殿から下へと下る順路を選びました。
というわけでまずは御真殿。こちらにも豆まきの準備をする人たちがたくさんで大賑わい。
またイベントの様子を写真に収めようとニコンのカメラを携えたアマチュア・カメラマンのお年寄りがたくさん待機していました。ちなみにシグマのカメラを持っていた人は一人も発見できず。当たり前と言えば当たり前ではある(^^;)。
不動堂の中は薄暗く、不動明王像は思ったより遙かに小さくこじんまりとしたものでした。しかしながら天井が高く感じられ、また声がほどよく響く建物の構造ゆえか、囁くような小さな声でお経を唱えてもしっかりと耳に届くこの不思議。
すぐそばには洗心之滝という小滝があり、水の流れる音が聞こえてくる中での納経はとても気持ちよかったです。ここはオススメ。やはり納経を行うのはこうした静かなお堂に限ります。
御真殿のすぐ隣にデンと置かれてあるのが噂の高下駄で、確かにびっくりするほどの大きで、その隣には小さな赤下駄がたくさん並べられていました。
さて、ここからさらに奥へとは行ったところが奥の院で、もの凄く長い階段を上りきると、十一面観世音菩薩を奉安されているお堂があります。しかしながら階段を上りきるのが辛いことは判っているので、今回は御真殿の裏手から続く山道をのんびり登っていくことに。
しかしながらこれがもの凄く長かったです。急ながら距離的には比較的短い石段か、それともひたすらだらだらと森の中を行く坂道か。再訪するとすればどちらかを選ぶべきか、悩ましいところです。
十一面観世音菩薩が奉安されているということで、いつも通りの観音経をこっそり唱えて納経終了。納経しているお寺のほとんどが天台宗・真言宗だったので、果たして曹洞宗のお寺で自分が普段行っている納経のやり方が正しいのかどうかよく判らないので、こっそり……というわけです。
十一面観世音菩薩へのお参りを済ませて石段を下りきると、園児たちの賑々しい声が本堂の中からスピーカーを通して聞こえてきます。なるほど、先ほどのブラスバンドの大音響はこのためだったかと納得した次第。
本堂の周りにはたくさんの人たちが集まり、これから一時間後に始まる豆まきの前座として元気に歌う園児たちの声を後ろ背に聞きながら、境内を後にしました。駐車場を出ると、警備員のおじさんが「もうお帰りですか」と驚きの様子。豆まきに参加しなくてどうするんだい? という顔をされてしまいましたが、お不動巡りが目的の自分としては早くに寺を出て、駐車場の順番待ちをしている方に譲ってあげるのが良いというもの。帰りの狭い山道は駐車場を待つ車の列で大渋滞でしたが、こちらは悠々と山を下り、次なる目的地である伊豆方面へと向かうことにします。続く。