先日取り上げた坂東三十三箇所第10番 巌殿山正法寺の岩殿観音は木彫りの彫刻の美しくも、こじんまりとした趣のある観音堂でしたが、次に訪れた岩殿山は安楽寺の吉見観音はまずその大きさに驚かされました。
山門を抜けてすぐがもう境内で、松をはじめとする庭木が美しく配された向こうに大きな観音堂が姿を見せる趣が素晴らしい。
山の上にある岩殿山を訪ねたときには肌寒さに口が凝り納経もままならなかったのに較べると、吉見観音を訪ねたころには気温が上がってきたのも手伝って、開経偈から観音経まであっさりと納めることができました。しかしこの観音堂には聖観世音菩薩の本尊真言が掲げられておらず、聖観世音菩薩の真言を知らない自分はそこを飛ばしてしまったのはちと残念。納経を意識していくつか坂東三十三箇所を訪ねているものの、まともに本尊真言を唱えることができたのがまったくなしというのは我ながら情けない(爆)。
この右手裏にある三重塔もまたこの寺の見所もひとつでしょう。県指定有形文化財にもなっており、鎌倉時代に源範頼が建立したオリジナルは天文年間に松山城の落城に際して焼失し、現在のものは約350年前の寛永年間に再建されたものとのこと。
佇まいの美しい三重塔なのですが、よくよく眺めてみると、塔の垂木のあちこちに大きなスズメバチの巣が……。夏に来なくてよかった、と観音様の横目に不謹慎なことを考えてしまったのは内緒です。
駐車場もしっかりと完備されており、町中から車で行くと大きな看板も立っているので、岩殿観音に行くよりは容易でしょう。