以前に紹介した『Foton機種別作例集025 フォトグラファーの実写でカメラの実力を知る SIGMA sd Quattro 吉田裕吏洋・作例集』のシリーズ。実は最近、dp0 Quattroを新たに購入し作例を色々と探していたこともあって、こちらも覗いてみた次第です。結論から先に言ってしまうと、写真集という本形式での作例ということでの制約がある点は『Foton機種別作例集025 フォトグラファーの実写でカメラの実力を知る SIGMA sd Quattro 吉田裕吏洋・作例集』と同様ながら、超広角レンズの特徴をフルに活かした作品が多く収録されていて満足です。
dp0 Quattro自体はF4のレンズですが、本作に収録されている写真を見てみると、開放値で撮影された作例はなし。一応、メモ代わりに絞り値を記しておくと、8.0が7枚でもっと多く、続いて5.6が6枚、7.1が2枚、4.5、6.3、9.0、5.0がそれぞれ1枚となっていました。またカラーモードを変更した作例もしっかりと収録されており、スタンダード、風景、ビビッドといった定番のほか、サンセットレッド、クラシックブルー、FOV クラシックブルー、フォレストグリーンなども取りそろえてあり、dp0の広角でカラーモードを変更した風景写真がどのように見えるのか、という点にも配慮したセレクトが素晴らしい。dp0といえばやはりゼロディストーションに興味が行くのは当然で、真っ正面から建物を撮った写真などが収録されていれば、dp0のレンズのポテンシャルをもっと垣間見ることができてよかったかなァという気もしますが、撮影場所が北海道と言うことであれば、やはり北海道の悠大の景色を収録した一冊に仕上げるは必然で、このあたりはないものねだり(爆)。
『Foton機種別作例集025 フォトグラファーの実写でカメラの実力を知る SIGMA sd Quattro 吉田裕吏洋・作例集』で述べた不満の繰り返しになってしまうのですが、やはりFoveonならではの等倍鑑賞が不可能な写真集ゆえ、解像度がいかほどのものかといった点での鑑賞は不可能ながら、dp0 Quattroで「作品」を撮りたいという所望の方にとっては、本作におさめられている数々の風景写真は大いに参考になるのではないでしょうか。値段もお手頃ですし、まずはこの一冊でdp0 Quattroで撮影された写真とはどんなものなのかを覗き見て、ここからさらにFlickrを初めとした写真サイトで解像度も含めたこのカメラのポテンシャルを探ってみるというアプローチをオススメしたいと思います。