前回の続きです。翌日。出発前に『ふくしまを楽しむ大人の情報誌Mon mo モンモ №67[2017年春号]』で仕入れた情報によると、土湯温泉近くにある慈徳寺の枝垂れ桜が見事とか。当初は福島市内へと行く途中だし、まずはこの慈徳寺に立ち寄って見るかと考えていました。しかしながら土湯温泉周辺はいまだ桜が咲いておらず、あづま総合運動公園サイクルスポーツ広場の周辺をぐるっと車で通ってみても桜が咲いている気配はありません。
注文したのはダブル地鶏ラーメンの塩とトビウオラーメン。毎回このメニューです。カレーにも凄く興味があったのですが、次回にお預け。ちなみに千貫森ですが自分が行ったときには若干色づいてきたかなというくらい。満開の季にはかなり綺麗な景色を見せてくれるのではないでしょうか。
今回は時間がないのでUFOふれあい館に立ち寄ることはせず、ラーメンを食べるやそのまま福島市内へ逆戻りです。UFOふれあい館へと向かう道すがらちょっと気になる看板がありました。大蔵寺、千手観音云々というもので、ちょうどその看板がある丘というか山の上に白い桜が咲いているのを来る途中で見かけていたのです。面白そうだから行ってみるか、ということで狭い山道を対向車が来ないかとビクビクしながら上っていくことに。
今回も幸い対向車は地元の車らしい一台で済みました。駐車場には車が何台か停まっており、境内の桜を愉しんでいる様子。
しばらくすると三人ほどの参拝客は帰ってしまったようで、ひっそりとした境内の枝垂れ桜を愉しむことができました。
さらに奥へと進んでいくと、八幡神社がありました。明治の神仏分離が行われる前、観音様と八幡様は一緒に祀られてい、地元の人に大変愛されていたようです。
さて、せっかく八幡様が祀られているのだからと簡単ながら禊祓詞を奏上することにしました。が……難なく唱え終わって鳥居をくぐるや否や、ポツポツと雨が降ってきました。やはりここでも神様に嫌われている自分である(^^;)。
雨を除けるためにと慌ててそのすぐ上にある観音堂へと避難します。
千手観音は拝観料(いくらか不明)を払えば見ることができるそうなのですが、とりあえず観音堂にお参りするだけでもと、ここでも開経偈、懺悔文、般若心経に千手観音の真言を唱えて参拝終了。今までは般若心経の後に続けて観音偈を唱えていたのですが、妻から「長すぎる」と文句を言われて以来、自粛しています。
観音堂の横手からさらに石段を上がったところが奥の院に当たるらしく、桜の枝に隠れた多宝塔の姿を見ることができました。
奥の院といいつつも山道を延々と入っていく必要もなく、石段を上がってすぐのところなので気楽なもの。まだ小雨が止まないので、しばらく観音堂の庇の下で雨をやり過ごすことにします。
それともう一つ。八幡神社から観音堂へ続く石段の途中に大わらじがデン、とあります。この違和感が半端ない(^^;)。
元来た道を引き返すと、ニコンのどでかいカメラを構えたお年寄りの方々がやってくるのが見えました。カメラ二台を両肩に提げ、三脚を手にした重装備です。「これだよこれこれっ!」と奥の院にまで響き渡りそうな声をあげると、枝垂れ桜の傍らに三脚をおき、皆をして被写体たる桜の下へぞろぞろと参集します。お参りが目的ではなく、あくまで桜を撮りに来た様子。
幸い早めに参拝を済ませて桜はあらかた撮り終えたあとだったので、自分はいそいそと退散することに。美しい桜並木を後ろに眺めつつ福島市内へととって返し、東北道からの帰路へと着きました。
初めての浜通り。そして念願の大悲山の石仏も拝むことができて大変有意義な旅行だったと思います。来年は是非とも喜多方の日中線記念自転車歩行者道にある枝垂れ桜並木を観てやるぞと心に強く誓うのでありました。おしまい。