前回の続きです。30mm F1.4 DC HSMをごくごく普通にAPS-C用として使用した場合のテスト画像をご覧いただきましたが、今回が本番。果たしてAPS-C用のイメージサークルを企図して設計された本レンズを、フルサイズで使うことができるのかどうか。まずは論より証拠、文章を綴るよりまずは写真を見て頂くことにしましょう。前回と同様、上から順番に絞りは、F1.4、F2.0、F2.8、F4、F5.6、F8となります。
こうして見ると、F1.4だけでなく、F2.0でもかなり周辺減光が激しいことが判ります。激しい、というよりは、四隅は真っ暗といってもいいくらいで、これでは普段使いはかなり辛いであろうことは想像に難くありません。F4でもまだ四隅の端はやや暗いままですが、これくらいであれば使えるカモ、という気はします。
問題は、この周辺減光がAPS-Cレンズをフルサイズのボディで使う場合に特有の、四隅”だけ”が暗くなっていることで、中心から周辺に向かってなだらかに落ちていくような、オールドレンズ風の様子とはかなり異なるということです。なので普通にLightroomでこの癖を調整しようとすると、妙な感じで四隅から中央に向かっての部分が斑模様に明るくなってしまうことになり、このあたりはかなり工夫を必要とするような気がします。もっとも補正ブラシを作成して四隅だけを修生し、これを絞りごとのプリセットにでも登録しておけばどうにか対応できるかもしれませんが、……面倒臭い(爆)。積極的にはこのレンズをα7sで使うおうと考えていませんが、例えば「どうしてもα7Sのボディで広角28mmくらいの写真撮らなければならなくな」り「偶然このレンズを持っていた」ということであればF4まで絞って使うことはあるかもしれません。
と言うわけで、結果は以上の通りでした。一応、次回はオマケとして、ソニーのαボディについている超解像ズームで撮影したテスト画像を本テストの比較として掲載してみる予定です。