いかにも貧乏人らしいネタですが(苦笑)、……APS-C用のレンズであり、最近はsd Quattroにマウントしてフル稼働となっている30mm F1.4 DC HSM | Art。果たしてこのレンズをフルサイズで使うとどうなるのかというテストをしてみました。ちょっとネットで調べてみたら、F8あたりまで絞れば使えるヨ、みたいなことを目にしたのですが、やはりこういうものは自分で試してみるのが一番です。
このテストでは、壁に新聞を見開きで貼り付け、三脚に据えたカメラはISO100に固定、絞りを変えていくことで写りがどんなふうに変わっていくのかを見ています。比較対象としては、まず順当にAPS-Cレンズとして撮影した場合、そしてSONY αならではの超解像ズームで倍率を1.3にして撮影した場合についても合わせて掲載してみることにします。なぜ倍率が1.5ではなく中途半端な1.3なのかという点については、超解像ズームの写真を掲載する記事の中で、自分なりの使い方も交えて説明するつもりです。
と言うわけで、まずはメニューで「APS-Cサイズ撮影」をオンにし、普通に撮影した場合。α7sに限らず、α7シリーズにMC-11を介してSIGMAのレンズをマウントした場合、APS-Cレンズは自動認識されるのですが、とりあえず今回はオンで。結果は同じなのですが。なお、レンズ補正はオンにしてあります。上から順番に絞りは、F1.4、F2.0、F2.8、F4、F5.6、F8。
キチンとAPS-Cレンズとして撮影した場合でも、開放のF1.4だけはちょっと滲んでいるのが目につきます。またピントも甘いように感じられますが、ちなみに掲載した写真はすべてAFで撮りました。F1.4だけ甘いように感じられるものの、何枚撮影しても同様の結果だったのでおそらく「こういうもの」なのでしょう。
また滲みについては被写体がこういうものだから気になるのであって、普段使いではそれほど気になりません。また当たり前ですが、この滲みは近接ではもっと目立ってきます。このあたりの仕上がりがArtらしくないといえば確かにらしくないのですが、個人的には没問題。CONTAX Planar 50mm F1.4だと開放ではもっとふわっとした写りになるのですが、そうしたオールドレンズにも近い味付けで個人的にはむしろ好みかもしれません。もっともCONTAXのこのレンズは自分の場合、もっぱらF2まで絞って使うのが当たり前で、SONY のα7sにマウントして使う場合にはその高感度特性とも相まってまず開放で使うことはありません。
APS-Cサイズとフルサイズとの比較において留意すべきは、周辺部の流れと周辺減光でしょうか。このあたりは実際に画像を確かめてもらえればと思います。個人的にはこのくらいの周辺減光は、Lightroomでの補正も容易であるためまったくの没問題で、気になりません。しかしながらこのレンズをフルサイズで使用する場合にはちょっと事情が違ってきます。それはAPS-Cレンズをフルサイズのレンズとして使用した場合の独特の癖によるものゆえなのですが、このあたりについてはフルサイズのレンズとして撮影した画像も交えて説明した方が良いでしょう。
さて、次回は「APS-Cサイズ撮影」をオフにして、いよいよフルサイズのレンズとして使用した場合の写真を掲載したいと思います。というわけで、以下次号。