会津美里にある法用寺は、徳道上人の開基と伝えられる会津地方では二番目に古い名刹です。このあたりを走っていると、雀林の山沿いに見えるこの寺は、以前中田観音に行く道すがら立ち寄ってみようかと思ったものの、カーナビに従ってこの寺を目指したところ、見事袋小路に案内されてあえなく断念ざるをえなかったという苦い思い出があります。
今回は、道端に立つ一休さんモドキの看板に従ってこの寺を目指していくと、これが大当たり。法用寺の観音堂側に駐車場があるのですが、どうやらカーナビは三重塔側にある入口へと案内していることが判りました。とにかくここに行くのであればカーナビの親切な案内はとにかく無視して、一休さんモドキの看板に黙々と従って進むことをオススメします。
さて、法用寺が徳道上人の開基であることは上に述べた通りですが、火災によって焼失したものを再興したのがかの徳一上人であるとのこと。駐車場に車を止めてすぐのところにあるのが仁王門で、以前はここに金剛力士像が置かれていたようなのですが、今はご覧の通り写真というか薄汚れたポスターが飾られているのみ。まあ、長年の風雪に晒されてきたことでしょうから、保存の意味でも仕方がないことでしょう。
観音堂はこれまた会津ではお馴染みの、緻密な彫り物が施された見事なもので、年季の入った建物の細部をためつすがめつするだけでもかなり愉しい。しかし経年劣化が相当に激しいこともまた事実で、いつかは大修復しなければいけないんだろうなァ、……などと考えながら奥に見える三重塔へと向かいます。
この寺の一番のウリはやはりこの三重塔でしょう。会津に現存する唯一の塔と伝えられるこの三重塔ですが、確かに素晴らしい。しかしそろそろ工事が始まるとのことで、廻りには柵が巡らされ、その奥にあるはずの石川啄木の歌碑を覗くことはかなわず。
さらに奥に地蔵堂があるのですが、三重塔の左手にも入口がありました。カーナビはおそらくこっちの方へと案内しているのではないかと。
ここらあたりでちょっとだけsd Quattroの話を。dp Quattroを使っているときには白飛びに注意して露出をコントロールしないといけない厄介なカメラ、という印象があったのですが、sd Quattroはその点、かなり楽になったような気がします。もちろんSONYのα7sやDSC-RX1などに較べると露出に気を遣うことに変わりはないのですが、最初の頃のdp Quattroほどではないという印象です。また再三述べている通り、自分はSONYのカメラはもちろん、sd QuattroでもJPEGでしか撮らないのですが、Lightroomでハイライトをいじっても結構「残って」いることが判りました。α7sだと、Lightroomでハイライトを一番マイナス方向へ振ってみると、白飛びしていたかに見えた画が次々と浮き上がってきて、うわぁ……と感心すること多々ですが、sd Quattroはそこまでとは言わないまでも、もしかしたらα6300より優秀かもしれません。露出補正を-0.3から-0.7くらいで撮って、Lightroomでシャドウを持ち上げる修正を施すと、だいたい自分好みの画になります。
この奥には鎮守・意加美神社があるとの看板も見つけたのですが、あまりの暑さに石段を登る体力は残されて折らず、あえなく断念。会津三十三観音巡りを考えると、このあたりはまた再訪すること確実なので、これについてはまた機会があれば、ということで。