前にもちらっと書きましたが、圏央道が東北道に繋がってからというもの、一泊旅行といえば東北へ足を向ける機会が多くなりました。そして会津旅行を繰り返すうち会津三十三観音の存在を知り、さらに今年の春、祖父の墓参りのためにと赴いた徳島で四国八十八ヶ所霊場のひとつである霊山寺を訪ねたことをきっかけとして、そういえば来年はいよいよ五十路だし観音巡りでもしてみるかと思い立った次第です。
神奈川県在住の自分にとって、観音巡りで一番手軽なものといえば坂東三十三観音で、よくよく調べてみると、栃木県の天開山・大谷寺や、群馬の五徳山・水澤寺などすでに訪れたこともある寺もリストアップされていることが判りました。鼻息も荒く一日で多くの寺をまわって結願を目指すようなことはせず、まあ気楽にひとつひとつをあたっていければいいかなァ、……と軽い気持ちで、まずは地元神奈川県にある寺の中でも一番か二番目に近い厚木の飯山観音を訪ねてみることにしました。
飯山観音の周辺は、大学のキャンパスが近かったこともあり、もうウン十年前の話になりますが、車で何度も走ったことがあります。あの当時とあまり様変わりしていない田舎道を奥に進むと、狭隘な路へとかわり、少し登ったところに数台は停められそうな駐車場がありました。写真の通り仁王門はいかにも鄙びた感じですが、それを登り切ると六地蔵がしつらえてい、イヌマキの樹を横に眺めながらさらに石段を登ると、ネットなどで見たこともある観音堂が姿を現します。
さすがに車でないとまず訪ねることさえ難しい立地であることと、時間もまだ十時前と早かったせいもあってか、観音堂に着いたときには誰もいないのを幸い、観音堂の前で最近暗記した開経偈と懺悔文をムニャムニャと唱えたあと、般若心経を諳んじて素早く退散。「般若心経」は以前に脳トレで覚えたこともあって、すらすらと暗唱できたのですが、一日前にやっつけで覚えた開経偈と懺悔文はかなり怪しく、観音様にはみっともないところを晒してしまいました(爆)。
今回のお供も、ここ最近すっかりメインカメラとなりつつあるsd Quattroながら、レンズはいつものSIGMA 30mm F1.4 DC HSM ではなく、一泊旅行のときにマウントしているSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMをチョイスしてみました。やはりこの大柄なレンズは、α6300にMC-11を介してマウントして使うよりも、sd Quattroの方がしっくり来るような気がします。
フォーカスリングのところに指を添えて下から支えるように構えると、とても安定するように感じられるのも、一見すると奇矯に見えながらも考え抜かれたsd Quattroのデザインゆえでしょう。大きい、重いと揶揄されがちなsd Quattroですが、――もちろん小さく軽いカメラもまた魅力的であることはPanasonicのDMC-GM5も使っている自分はよく判っています、――大きいボディにもまたそうである必然とメリットがあるわけで、Artシリーズのレンズを支えるにはこの大ぶりなボディはいわば”必然”だったのではないかと、最近は感じている次第です。