前回の続きです。相馬小高神社を参拝したあとは、南相馬の道の駅あたりで軽く食事を済ませる予定だったのですが、昼時ということもあってか凄い混みようで会えなく断念。お客さんは皆が皆、普通に背広を着た地方の会社員かあるいは作業服を着た作業員っぽい人たちばかりで、自分のように観光客然とした人は皆無……というのは当たり前かと苦笑しつつ、早々に道の駅は抜け出してそのまま相馬へと北上することに決めました。
南相馬と相馬の間は国道を使って車で三十分強と、近いとも遠いともいえない微妙な距離。ハンドルを握りながら海側となる右手に目をやると、これまた哀しい光景が広がっていたりするのですが、これについては敢えて写真を撮ることも、詳細を語ることもしません。
自分が美しいと感じたものだけを撮る――これぞ、素人の写真愛好家の”特権”ともいえるわけで。
相馬に到着してもなかなかこれといったレストランが見当たりません。ようやく商店街の喫茶店っぽいところでカレーとサンドイッチを軽くとったあと、近くにある馬陵公園と相馬中村神社へと向かいました。
南相馬の相馬小高神社が比較的こじんまりとした雰囲気だったのに比較すると、ここ相馬中村神社は桜の名所としてつとに知られていることもあってか、この日は平日にも関わらず結構な人出で車を停めるのにも一苦労。
本殿は現在改装中とのことで参拝することはかまいませんでしたが、境内にはポニーが囲われていニンジンをあげたりする施設が用意されていたりと、これまた地方の神社らしいほのぼのとした雰囲気に和むことしばし。
小高神社に中村神社と桜を追いかけてきましたが、このあたりの桜は関東のソメイヨシノと違って紅色が薄く、真っ白といった感じです。
あたり一面が白い桜という景色はソメイヨシノの桜並木を見慣れた自分には新鮮な体験となりました。さて、相馬でのお花見を終えたあとは、いよいよ飯舘村へと向かいます。ここには是非とも訪ねてみたかった神社があるのでした。続く。