前回の続きです。タイトルの内容についてはすでに前回の記事において結論は出てしまっているので、今回はあくまでオマケという位置づけではありますが、SONY αのカメラが持っている超解像ズームの機能について。超解像ズーム、――正確には「全画素超解像ズーム」という長い名称の機能について、一言で述べてしまえば「よくできたデジタルズーム」。デジタルズームながら極力画質の劣化を低減させたもの、くらいの認識でよろしいかと思います。ネットをざっと巡ってみた印象では、望遠側を”稼ぐ”ために積極的に使う派のひとと、まったく使えないと一蹴してしまうひととあるようですが、自分はその中間派というかんじでしょうか。
望遠側を稼ぐというよりは、ズーム領域も1.3倍にとどめてマクロ的な使い方に限定する、――自分の使い方はコレです。例えばα7sにSEL55F18を使ってテーブルフォトを撮ろうとすると、どうしても寄れないことがある。そうしたときには1.3倍に超解像ズームを調整して撮影する。あるいはDSC-RX1は35mmのレンズですが、これを1.3倍の45mmにしてテーブルフォトに使う。RX1はかなり寄れるカメラですが、あまりにぐっと寄ってしまうと被写体が歪んでしまうので、ここは敢えて超解像ズームでもって45mmにし、やや離れた位置から撮影する、――こんな使い方をしています。
確かに巷で散々指摘されている通り、この倍率を1.5倍、さらには2倍と増やしていくと画像も荒れてしまい、”まったく使えない”ということになるのですが、1.3倍くらいであればかなり使えるような気がします。もっともこのあたりは個人差もあるでしょうし、また被写体にも左右されことは言うまでもありません。
上野由日路・著『オールドレンズ×美少女』は、「ソニー 全画素超解像によるマルチクロップ」という見開きをもうけてこの機能についての説明をくわえ、また積極的な使用を推奨しているのですが、ここで作例として示されている被写体はオールドレンズであることに留意しておく必要はあるでしょう。またこの一冊がポートレートをメインに据えたものであることからも、超解像ズームの機能はかなり有効に左右するように思われます。
この記事においては、超解像ズームの機能を、オールドレンズを複数のボディで用いることを企図して「マルチクロップ」としているところが興味深い。自分はマクロとして、そしてこの本では複数のボディでの使用を目的として、――この機能の使い方は様々ではありますが、ようは適材適所ということでしょう。
――と前置きが長くなりましたが、そんなことを頭に入れながら、以下のテスト画像を眺めて頂ければと思います。自分の印象としては、「かなり使える」ものなのですが、このあたりの印象はまさに人それぞれだと思うので、多くは語ることはいたしません(爆)。掲載したテスト画像は前回と同様、上から順に絞りは、F1.4、F2.0、F2.8、F4、F5.6、F8となります。